「アボリジニのおばあさんの絵を見に国立新美術館に行かない?
ランチご馳走するから・・・」と母から電話がかかってきた。
アボリジニ!? オーストラリアの原住民・・・茶色に点々の絵かぁ・・・と
思ったけど「国立新美術館」に反応して・・・「行きます!!」
私の中では国立新美術館=ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ♪
なのに過去に2回も満席で入れなかった苦い思い出がある。今回はそんな
ことのないように、早めの待ち合わせで万全を期す。
母の趣味は絵画鑑賞。この美術館にも月に1回は来るらしい。
私としては先にささっと見て・・・と思ったが、母はゆっくり見たいだろうと
先にランチをすることにした。レストランの前にすでに出来ている列に並ぶ。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ
相手が母のときは、ときどき失礼してお食事中に写真を撮ることがある。
私が写真を撮り出した時は、前に聞いた話がまた始まったときなのだが
それを母は知らない・・・というか、意に介さず話し続ける。
以前
Toko先生がこの美術館とレストランに行かれて、とってもステキな
写真を撮られていた。その作品はこの前のグループ展にも出品されていた。
あんなにステキには撮れないけど。亡くなった黒川紀章さんが設計された
この建物。直線と曲線がからみあい、外からの光がガラス越しに透けて
とてもキレイ。
そして、いよいよ
エミリー・ウングワレー展に。
生涯の殆んどをオーストラリア中央部の砂漠で送ったエミリーは、
80歳近くになってそれまでのバティック制作に替わって、キャンバスに
絵を描き始める。そして86歳で亡くなるまでの8年間に3,4点に及ぶ
アクリルの作品を残した。
その作品はどれも80歳を過ぎた人が描いたとは思えない力強い作品。
彼女の作品はすべてアボリジニ独特の世界観に通じている。最晩年にも
8メートルの大作を遺している。会場では、彼女がその大作の上に座り
ながら筆を進めているビデオが上映されていた。
そして、彼女は亡くなる2週間前にも24作品を3日間で描きあげた。
その中の「私の故郷」という作品の上に、まだ絵の具が乾かないうちに
歩いたと思われる、犬(!?)の足跡が点々とついていた。
絵の知識が全くない私だが、彼女のバックグラウンドそして作品に、なぜか
とても惹かれ、ずべての作品を見終わってもその場を去り難かった。
先に見終わって私を待っていた母は「あなたが好きそうだと思ったのよ・・・」
外に出たら、クラクラするほどの太陽。朝方のものすごい雷がウソみたい。
ミッドタウンまで、歩くことにした。
洞爺湖サミットまであと少し・・・都会はなんだかものものしい。
息苦しいほどの暑さの中・・・ようやくミッドタウンに到着。
あっ♪♪ Saleだって・・・!!
母と私。1ヶ月に1回くらい外でランチをするが、だいたい交互にお代を持つ。
今回は母の番ということで、ランチが終わり、また私が写真を撮っていると
レジの方から大声が・・・
「お金貸して~~っ!! お財布忘れたわ~!!」
・・・私の母だワ^^;